妊婦のくらし

共働きファミリーの子どもの気持ちを考える③  小学生の放課後。子どもが選び取る時間を大切に(インタビュー)

 

共働き家庭にとって、親がいない放課後の過ごし方は悩みの種ですね。小学生にとって放課後はどんな時間が望ましい? 「安全で豊かな放課後を日本中に作る!」を目標に活動している『放課後NPOアフタースクール』の栗林真由美さんに、小学生の放課後についてうかがいました。

 

小学生の放課後&長期休暇は年間1600時間!

 

小学生の放課後と長期休暇を合わせると1年間で約1600時間。低学年であれば、年間の授業時間よりも長い時間になります。この潤沢な時間をどのように使うか? それは、子どもの育ちとって大切な問題です。

 

現在、学校教育は「主体的に考える学び」へと変わりつつあります。それでも、授業中は「やらなくてはならないこと」「みんなに合わせてやること」がどうしても多くなります。放課後はそんな「やらねばならぬ」から子どもが解放されて、自分が好きなことをやるために使える時間。子どもが自分らしくいられる時間なのだと思います。

 

親としては、子どもが一人で家にいるのは安全面でも心配だから、何かとスケジュールを入れたくなってしまうのはよくわかります。ただし、それもやりすぎると、子どもがやりたいことを自分で決めて行う機会を奪ことにもなりかねません。

 

のんびり休むことも含めて、「どれだけ自分で考えて行動できるか」という視点。それも、放課後の過ごし方を考える上で大事にしてほしいと思います。

 

子どもの「好き!」を肯定しよう

 

今の時代、子どもの安全を考えると、親の選択肢は限られるかもしれません。それでも、放課後は、できるだけ子どもが自分で選びとる時間であってほしいと思います。

 

私たちが提供する放課後の場所でも、やりたいことのアイデア出しを子どもたち自身にしてもらうことがよくあります。そうすると、大人の予想を超えた独創的なアイデアがいくつも出てきます。

 

家庭でも同じかもしれません。放課後の過ごし方を、親子で一緒に考えてみてはどうでしょう? そのときに意識したいのが、わが子の好きなことを親が理解して、それを肯定してあげること。そうすることが、子どもが自ら遊びを生み出したり、何かにチャレンジしたりする力になると思います。

 

家庭は、冒険する子どもたちの安全基地

 

アフタースクールを利用する子どもたちの遊び方を見ていると、学年によってかなり違うことがわかります。低学年のうちは、大人を介しての遊びが多いのに対し、学年が上がるにつれ、友だち同士の関係性の中でいろいろなことに取り組むようになり、仲間に認められたいという気持ちもどんどん育っていきます。そうなると、大人の介入する場面は減ります。

 

仲間との世界で冒険したり、チャレンジしたり。そんなことができるのも、家庭というホッとできる場所があってこそのことです。それは、「おかえりなさい」と常に家で待っている親がいるという意味ではありません。大切なのは、わが子にかける時間よりも、わが子に与える安心感。「親は何かあったときに話を聞いてくれる存在」と、子どもが思える関係性なのかな。と思います。

 

『かいじゅうたちのいるところ』という絵本があります。いたずらっ子の男子が、母親に叱られて部屋に閉じこもっているときに空想の世界へ冒険に出る話です。冒険から疲れて帰ってきた主人公の部屋には、温かいご飯がおいてあり、心もほかほかとした安心感で満たされます。

冒険したい子どもたちと、安全基地としての家庭。それはまさに、この絵本のイメージなのだと思います。

 

大人が楽しければ、子どもも楽しい!

 

『放課後NPOアフタースクール』事務局のチームビジョンは、「大人が楽しければ、子どもも楽しい!」です。共働き家庭でも同じことがいえるのではないでしょうか?

 

働いている親が楽しそうだと、家庭内の雰囲気も明るくなり、子どもは安心できます。それに、「大人になるのって、楽しいんだろうな」と、未来に期待を持てますよね。

 

私自身ももうすぐ小学生になる娘がいます。私は仕事が好きなので、けっこう働いているんですけれど、そのぶん、子どもには楽しい背中を見せることができるといいいな。と思っています。

 

●お話くださった方●栗林真由美さん

『放課後NPOアフタースクール』事務局 CTプランナー/STEAMプロジェクトマネージャー。

STEAM教育とは、未来を生きる力をつけるために必要なスキルといわれているScienceやTechnologyなど、5つの単語の頭文字を合わせた造語。STEAMプロジェクトでは、地域や企業とのネットワークを活用しながら、子どもたちが主体的にテクノロジーで遊べる環境づくりを推進している。

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