妊婦のくらし

【医療従事者向け】つわりへの対処①

2018.08.01

 

 

 

 

 

 

妊娠期に体験する不快症状の中でも、多くの妊婦さんが体験される「つわり」に関する研究論文をご紹介したいと思います。

皆さん、「Cochrane Database of Systematic Reviews (コクランレビュー) 」をご存知ですか?これは、The Cochrane Collaboration(コクラン共同計画)が発行しているものです。ランダム化比較試験という研究方法で行われた複数の研究成果を統合し、特定の疾病や問

題に対する治療行為の有効性を評価しています。よく、「効果があるっていう研究とないっていう研究があるけど結局どうなの?」と思うことがありますが、そんなときはコクランレビューを参照されることをおススメします。

 

つわりへの有効な対処法に関してもコクランレビューが発表されています。

Matthews A, Haas DM, O'Mathúna DP, Dowswell T (2015).

Interventions for nausea and vomiting in early pregnancy. Cochrane Database Syst Rev

(http://cochranelibrary-wiley.com/doi/10.1002/14651858.CD007575.pub4/full).

 

こちらのレビューでは、つわりへの対処法に関する41本の研究(対象女性5,449名)を分析しています。41本の研究には、内関などの指圧・鍼・灸刺激、生姜摂取、ビタミンB6摂取、カモミール摂取、ミントやレモンオイル芳香、吐き気止めなどが含まれています。これらの中には効果があると示されている研究もありましたが、コクランレビューの分析結果としては、研究方法や評価指標などの問題からいずれの対処法にもつわりへの効果は十分明らかになっていないと述べられています。

これは、いずれの対処法も効果がないということではなく、いずれの対処法も十分な効果が示されていなかったということだとまとめられており、今後、研究方法を洗練させ、有効な評価指標を開発するように!と研究者に発破をかけています。

つわり研究に携わる1人としては、少しでも早く効果的な対処法を明らかにできるよう取り組み続けていきたいなと気が引き締まる一文です。

有効な対処法が明らかでない中、多くの妊婦さんはどのように対処されているんでしょう?次のコラムでは、多くの妊婦さんが実際にどのような対処をされているのかについてご紹介したいと思います。

岩國亜紀子(関西医科大学看護学部、助産師)

このページをSNSにシェアしませんか?